Text by むすび
私はあまり、面白みのある人間ではない。
誰かに自慢できるような特技も、夢中になれることも見つけられていない。
人に嫌われたくないから好かれるように意識して、本当の自分らしさをなかなか人前に出せない。
けれど舞台の上の私は、たくさんの個性を持っている。
周りを気にせず、その役をただ生きている。
役では、どんな人にもなれる。
学生、先生、お嬢様や恋する女の子。
役を生きているとわくわくして楽しい。
演劇は、どんな人とでもできるコミュニケーションだと私は思う。
私とあなたが会話している。
その光景をたくさんの人が観ている。
それだけで、そこには舞台が完成する。
ロボットには出来ない、人間だからこそできるコミュニケーション。
日常生活の少し面白い話や悲しかった出来事、感じたことをみんなと共有できる場所。
そんな演劇が、私は好き。